バイオトイレのデメリット

杉チップ 写真
バイオトイレのメリットは「水を使わない・くみ取り不要・ニオイもなく快適」で、条件がそろえば申し分ないトイレですが、ここではバイオミカレットを例にデメリットについてご説明いたします。

1日の利用限度回数がある

バイオトイレは、処理槽内の媒体(杉チップ)がヒーターで温められ、空気を得た好気性微生物による自然の力で時間をかけて便を分解・蒸発させるため、1日に利用できる回数に限度が設けられています。利用回数を増やすには設置台数を増やす必要があります。

 

微生物 イラスト
機種ごとに設けられている限度回数を超えて利用を続けると、微生物による分解・蒸発が追い付かず、杉チップが水分過多になります。

 

空気を失った微生物は活動できなくなり、分解・蒸発ができないため、処理槽内の便量が増えていき、悪臭を発生します。

 

このような状態になった場合、軽度であればすぐに使用を停止して休ませれば回復する場合もありますが、休ませずに使用を続け回復不可となった場合、杉チップは全交換が必要となり、メンテナンス費用が発生します。

利用者数が多い場所には不向き

災害時、水道管が破損して水洗トイレが利用できない場合、バイオトイレは期待の高いトイレです。ヒーターでの温度管理、モーターで撹拌するため、電気が必要です。発電機があれば災害時も安心して利用可能です。 法人等で、利用者数が固定されている場合は、災害用トイレとして活躍が期待されます。

 

ただし、公共用や一般開放の場合、課題なのが限度回数です。被災者が一気に押し寄せて利用することも想定されるため、 処理能力をオーバーするリスクが高いのです。

 

阪神淡路大震災では、兵庫県の127万戸(9割以上)が断水し、復旧までの長期間、水洗トイレが使用できない状況となり、この時の想像を絶する体験が書籍「阪神大震災トイレパニック―神戸市環境局ボランティアの奮戦記」に綴られていますが、汲取り式の仮設トイレがタンク一杯になっても利用は止まらず、便器から溢れたし尿がトイレ室内に散乱する惨状だったそうです。

 

参照:阪神・淡路大震災の被害状況(兵庫県ホームページ)

 

以上のことから、災害時だけなく使用者数の把握が難しい祭やイベントで利用する場合は、限度回数に達したらすぐに使用禁止にする管理者を配置する必要があります。

早期に休ませれば回復することも

バイオトイレ 処理槽
弊社が取り扱うバイオトイレ「バイオミカレット」は、処理槽が第1層と第2層に分かれているので、第1層内に蒸発が追い付かない水分のみを第2層に落とし、ブロアで蒸発を促します。
これにより水分過多になっても、早期に使用を控えるか、使用禁止などの対応をすれば、杉チップが乾燥し復旧する場合があるのが特徴です。

 

しかし、この第2層でも蒸発が追いつかないほど使用を続けると、第1層内の杉チップにし尿が浮かび上がり、微生物による分解不能な状態となって悪臭を発生します。

まとめ

以上のことからバイオトイレは設置前に条件を満たすかどうか事前確認が重要です。
初めての導入には不安な点も多くあると思います。ご質問等、お気軽にお問合せください!