バイオトイレは水が不要で、人間の体内に住む微生物の力でし尿を分解する、悪臭のしないトイレです。ヒーターで温度管理された処理槽内のおがくずに、し尿が投入後、撹拌(かくはん)することで微生物が活性化し、し尿を分解・蒸発させます。し尿は1~2日ほどでなくなります。
人間の排泄物は約95%が水分です。残りの5%は「食べカス」「腸内細菌」「剥がれた腸粘膜」です。
バイオトイレは、排泄物の95%である水分を、おがくずなどの媒体に吸着させ、ヒーターで温度管理しながら処理槽内を撹拌、酸素を取り込みながら自然界の微生物を活性化させます。
杉チップにし尿が投入され、微生物が活動を始めます。
ヒーターの熱により、水分蒸発、そして微生物の活性化を促進します。
杉チップをかくはんして酸素を取り込み、微生物の活性化をさらに促進します。
最適な温度、適度で微生物はし尿を分解していきます。
悪臭を元から断つ…だから臭わないのです!!
活性化した微生物は、固形物を水と二酸化炭素に分解、水分は蒸発処理します。
残るほんのわずかな無機物質は杉チップの隙間に吸着され、し尿は基本的に跡形もなくなります。
し尿はもちろん、トイレットペーパーも見当たらず、ニオイもしません。
「大便」と「小便」が混ざると、バクテリアが尿を分解し、アンモニアを発生します。
さらにバクテリア等が増殖すると、アンモニアに加えトリメチルアミンなどの成分が、強烈な腐敗臭を放ちます。 大便と小便は、分別すればそこまで悪臭を発生しません。
※バイオトイレをご利用のお客様の中には「水洗トイレよりニオイがしない!」と驚かれる方もいらっしゃいます。
バイオトイレは大小便が直接混ざらず、アンモニアが発生する前にし尿を分解、蒸発させてしまうのでニオイがしないのです。
従来のバイオトイレは処理槽が1層なので、杉チップ内の水分が多い場合、主にヒーターの熱処理のみで蒸発させるため、処理が追い付かないと杉チップの早期交換が必要になります。
バイオミカレットは処理槽を2層に分けることで、杉チップ内の水分が多い場合、水分だけを第2層(左図)に貯めることができます。水分を第2層に落とすことで、水分が蒸発しやすく、杉チップが水分過多になりにくい環境を作ります。
固液分離をして第2層に溜まった水を放置すると、嫌気性状態となり悪臭が発生しますが、ブロア装置で酸素を送ることで、好気性状態をつくり、悪臭の発生を抑えるだけでなく水分の蒸発を促進します。
さらに、酸素を得た好気性微生物は、正常に生育・増殖して活発になるため、し尿を強力に分解します。
これら2つの独自装置により従来型のバイオトイレよりもさらに高い処理能力を実現しました。
バイオミカレットは据え置き型で、ユニットが出来上がった状態でお届けするので、現地組み立てや工事、浄化槽等の設置も不要です。
ユニック車で設置したら、後はコンセントを差すだけ。これでもう使える状態になります。
設置前の準備は設置場所の水平と、100V電源の確保。仮設トイレの設置に時間と工事費用をかける必要がありません。届いてすぐに快適なトイレ空間を手にすることができます。
従来の汲み取りトイレを返却するには、まず汲み取り業者を手配し、タンク内のし尿の汲み取りを終えてから、別途手配した配送業者が引き取りにきます。
バイオミカレットは汲み取りが不要。使わなくなったら電話一本で返却可能なので、撤去に手間をとりません。
バイオトイレの杉チップ交換時期はメーカーによって「3か月に1回」「6か月に1回」と異なりますが、バイオミカレットの杉チップ交換時期は「12か月~18か月に1回」と長期利用可能な理由の1つが「バイオ杉チップ」。
おがくずは、目が細かいと水分の吸収力が良い代わりに、放出力が弱まるため、早期交換が必要になります。
逆に杉チップの目が粗いと吸収力が弱い代わりに、目が潰れにくいため長期の利用が可能ですが、一般的なおがくずは目が細かい物と粗い物が混合しているため、安定性に欠きます。
バイオミカレットの杉チップは、ふるいにかけて粗すぎるもの、細かすぎるものを取り除き、吸収力が良く放出力の高い、最適な形状のみを厳選することで、安定した処理能力と長期利用可能を実現しています。